雑記

Dr.STONEにみる少年漫画における勝利の変化

息子が夢中になって見ているアニメ、Dr.STONE

元は一昨年くらいから連載が始まった少年ジャンプ漫画。地球に異変が起こり人々は石化する。石化が解けると、そこは文明の全くない、原始時代のような地球があった。主人公は持ち前の「科学の知識」で生き延び、ムラを形成していくが…というお話。

ジャンプと言えば、友情、努力、勝利と言われてて、スポ根はもちろん、ドラゴンボールや北斗の拳だって、負けて→鍛えて→力合わせて→戦って勝つというドラマツルギーだったわけですが、進撃の巨人もこのDr.STONEも、(ジャンプでどれだけあるのか知らないけどラノベでテンプレ化している異界転生モノ全般も)同じ土俵のものと戦って勝つ話じゃなくて、放り込まれた異界で「なんとか生き延びる」というテーマや世界観になっていて、ここ10年くらいそんなものが多くなった気がします。

それだけ子供たちが感じる現実の世界が、30~40年前と比べると、不安定で怖いものになってるのかなぁ、と思ったり。 Dr.STONEが(というかこれが受けているのが)興味深いのは、腕力のあるやつは敵キャラで、それを主人公たちは「科学の知識」と「コミュニティの力」で退けようとするというところですね。 そんなことを考えてたら、こんな記事が見つかった。

『ジャンプ』“友情・努力・勝利”、時代で変化 登場人物も「努力しなくなってきている」

https://www.oricon.co.jp/news/2139643/full/

ジャンプがいまだにアンケートをちゃんと見てるんだな、というのと、そのアンケートをどう分析するか、どう受け止めるかは各編集者によって違いがあるんだなということもわかって興味深いというのがありつつ、「若い人は『友情努力』を支持する理由は、将来が今より良くなると思い、社会との繋がりを大事にすることがわかった。」というあたりは、Dr.STONEでコミュニティの力で反撃するあたりにも反映されているのではないだろうか、と思った。

「分析力と理論で強くなる」という主人公を描いたテニス漫画「ベイビーステップ」は新しい時代のスポ根だなぁと感じましたが、それも連載が2007~2017年と考えるとすでにひと世代前の漫画になってしまっているのですね。

ドラえもんは「スポーツも勉強も人よりできなくて、母に叱られるのび太」が主人公でしたが、妖怪ウォッチは「すべてが平均的でキャラがないことを友達にいじられるケイタ」が主人公です。

子供は無意識なので、子供が夢中になるもののインサイトを探るのは唯一解があるわけではありませんが、子供の気持ちと時代の空気を反映している気がして、あれこれ考えるのは楽しいですね。

ちなみに、Dr.STONEは息子がアニメを見てるのをそばで何話か見ただけで原作は未読なのと、ベイビーステップも最初の数巻しか読んでおらず、全般的に最近の少年誌連載漫画には疎いので、全然とんちんかんなことを言ってるかもしれません。時代を反映した面白い漫画があれば教えてください。